キンポウゲ科イチリンソウ属ニリンソウ
山を歩いていると、斜面がちょっと黄色くなっていました。よく見ると、ニリンソウの生えている斜面でした。もう黄葉して、初夏とは思えないは風情になっていました。
ニリンソウはスプリング・エフェメラル(春植物)と呼ばれる生き方をしている植物です。スプリング・エフェメラルとは春の妖精、春のはかないものという意味です。冬の間は球根などの地下部分だけで生き残り、春になると木々の芽吹き前に芽を出し、花を開き、結実させ、夏前に種をばらまいて、地下の球根などに栄養をためて、夏には地上部を枯らして休眠し、夏秋冬と長い休眠状態を過ごして、また春を待つ、という生き方をする植物です。ニリンソウはもちろん、カタクリやイチリンソウ、ヤマエンゴサク、コシノコバイモなどがスプリング・エフェメラルです。
スプリング・エフェメラルは温帯の落葉広葉樹林の植物です。落葉広葉樹林は、日本海側や東北地方のほうが規模が大きいものが多く、本来は寒い地方のものですが、太平洋側でも人類の活動で常緑樹林を切った場合や、水分が多い場所などでは落葉広葉樹林にあり、スプリング・エフェメラルが生えることになります。
関東付近のニリンソウは3月下旬には花を咲かせはじめ、5月中旬にはもう枯れてしまうのです。まだ咲いているのもあれば、もう果実になって黄葉しているニリンソウもありました。自然というものはおもしろいですね。
筑波山・赤城山は2020年5月18日から
筑波山・赤城山は2020年5月18日から、駐車場や登山道の閉鎖を解きます。山が少しずつ開かれ近づいてくる感じがします。