ラン科 ショウキラン科 シナノショウキラン
木曽谷の大きな目的が、このシナノショウキランです。数年前からずっと見たいと思っていた植物ですが、なかなかチャンスに恵まれませんでした。花期が梅雨時というのもあり、なかなか行くことができなかったのです。
今年は雨が降っても行くことにしました。そうしたら、シナノショウキランを見に行く予定日になるとその日は雨がやみました。雨でも花は咲いていますが、雨が降らないほうが楽しいに決まっています。今回は花ともに案内してもらいます。
車を停めて山に入っていきます。しばらく歩くと、咲きたての株がありました。まだ側萼片が開いていない新鮮なシナノショウキランです。さらにしばらく行くと、枯れた花が全くなく、満開の花もあり、蕾もある完璧なコンディションのシナノショウキランでした。撮影していると・・・。甘い香りがします。まさかシナノショウキランはよい香りなのか?と思って、花に鼻を近づけてみると・・・。バニラをもっとすっきりしたような甘い、よい香りがしました。シナノショウキランの香りは思ったよりも強烈です。この香りをお伝えしたいのですが、写真には香りは写らないから残念です。
シナノショウキランは、菌類から栄養を奪って生活する菌従属栄養植物と呼ばれる植物です。ですから、葉緑素もなく植物なのに光合成もしません。ランにはけっこう多いパターンです。これだけ大きな植物に栄養を取られるのだから、菌も大変ですね。葉緑素がないのでこのような自然植物にはあまりないような黄色をしています。
見ることができてよかったです。時期の選定が難しい植物です。