ケリー・ラフレシア マレーシアの植物

 ラフレシアは一個の花としては世界最大の鼻を咲かせる植物です。現在20種以上のラフレシア属の植物が発見されています。中でも大きいほうのラフレシアがこのラフレシア・ケリーです。現在3種類のラフレシアを私は撮影していますが、このラフレシアは最初に見ることができたラフレシアです。

 マレーシアのジャングルを2時間ほど歩き、やっと出会うことができました。途中、ショウガ科の植物の花などを見ながらのんびり歩きました。枯れたラフレシアもありました。チョコレート色に変わっています。

 ラフレシアの花は、ブドウ科のミツバミンボウカズラ属のつる植物の根に寄生します。寄生植物なので、大きな花を咲かせるということも、ラフレシアは平気なのでしょう。この花の直系は90cm程度でした。

 ケリー・ラフレシアを見たのはマレーシア半島のジャングルです。ラフレシアはインドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンなど東南アジアの各所で見られますが、分布は局地的です。いつも咲いているわけではなく、いつ行ったら咲いているわけでもなく、だらだらと咲いているようです。咲いている期間も開花から1週間弱と案外短く、すぐに茶色に枯れてしまいます。

 花の構造は複雑です。花びらは5弁です。花の中心に大きな穴が開いています。穴の中には突起がたくさんあるテーブル状のものがあります。穴は外側からは見えない水玉模様があり、光を通すので白く見えます。本当に変わった形をしています。

ケリー・ラフレシア
左端に枯れた個体があります。
これだけでは大きさがわかりにくいですね。
ジャングルは暗いですが、
暗いために下草などは少なく、
登山道もちゃんとあって
歩きやすいです。
ケリー・ラフレシア自生地までは
渓流を2度、
渡渉しました。

ケリー・ラフレシアの
花の内部にある
テーブル状のものの上にある突起

ケリー・ラフレシア
花の中から撮影
水玉模様は
外からは眺めることができません。
ラフレシアの花の匂いに誘われて、
ラフレシアの花の中に入った昆虫だけに
見ることができる景色なのです。