ツツジ科 ツツジ属 オキシャクナゲ
先月、島根県の隠岐に渡った目的のひとつがこのオキシャクナゲです。残念ながら園芸目的の盗掘により自生のオキシャクナゲはほとんどないとのことでした。しかし自生のオキシャクナゲが生えているらしいという情報を見つけたので、今回現地まで行きました。隠岐の島へは出雲空港から飛行機の便があり、これに乗ると早いのですが、旅を楽しむために、境港から高速船で向かいました。
船の旅はなかなかいいです。オオミズナギドリが翼を広げて海面ぎりぎりを空気を切るようにヒラリ、シュンシュンと飛ぶ様子が見えました。カンムリウミスズメらしき小さな鳥も一直線に飛んでいました。
オキシャクナゲは個人宅にたくさん植えてあるものがあって、それを見るのは簡単です。民家の裏にたくさん生えています。花が咲くとかなり見事ですが、やはり野生のものが見たいですね。まあ、ここも自生地だったようですが、他から集めて植えたり増殖させたりしているようです。隠岐は島前と島後のふたつの群島がありますが、オキシャクナゲが生えているのは島後です。
翌朝、山に登って自生のオキシャクナゲを探しに行きました。歩いてすぐの場所には、野生のシャクナゲは生えていません。とにかく1時間ほど歩いて山の中でやっとオキシャクナゲを見つけました。個体数はけっこうありました。さすが自生のシャクナゲは個体差が大きく、花色は紅が濃いものから、淡いピンク色のものまで花色の変化が大きかったです。
オキシャクナゲはホンシャクナゲの変種です。花冠は7裂し、雌しべ、雄しべは無毛。子房には長い毛が生えています。ホンシャクナゲは雄しべに毛があります。オキシャクナゲは葉裏に毛がほとんどなく緑色のものから、毛が生えて明褐色のものまで個体差が大きいです。葉は薄いですが、硬いです。
葉はともかく、雄しべの毛など、思ったよりもホンシャクナゲとは違いますね。花は非常に美しいです。山では保護されていますが、これからは盗掘などがないように願います。