リンドウ科 センブリ属 ハッポウタカネセンブリ
ハッポウタカネセンブリは、北アルプス唐松岳の八方尾根の固有変種です。センブリの仲間です。花がすごく小さく、直径8mm程度しかなく、とても小さいです。花は一度に全部が咲かないで、たくさん蕾があって、その中からいくつかが咲く感じで、さらにそこに咲き終わって花が閉じたものも混じります。でも蕾も、閉じた後もよく似ていて、丸くてかわいいのです。
ハッポウタカネセンブリの花はよっつに分かれています。リンドウの仲間は5つに分かれるものが多いですが、センブリの仲間は4という数字が好きのようです。小さい花ですが、花弁には黄緑色の蜜腺があります。蜜腺の周りには毛が生えています。なんのためにあるのかわからない程度の本数ですが・・・。
ハッポウタカネセンブリはチシマセンブリの変種という扱いです。本州北部にはタカネセンブリが分布します。チシマセンブリは花冠の長さが10mmと大きく、北海道に産します。タカネセンブリとハッポウタカネセンブリの花冠は長さ5mmと小さいのが特徴です。タカネセンブリとハッポウタカネセンブリの見分け方は、タカネセンブリの花冠裂片は卵型で先端は尖り、ハッポウタカネセンブリの花冠裂片は楕円形で先端は尖りません。わかりやすい違いは、タカネセンブリは萼が長く花冠に近い長さに対し、ハッポウタカネセンブリの萼は花冠よりもはるかに短いことです。
八方尾根では、たくさんのハッポウタカネセンブリがありました。花が終わったものも、まだ蕾のものも。スキー場のゲレンデにも生えていて、もっとすごい大株でした。でも八方尾根の上の方では、下の写真の株で大株でした。小さな株もかわいいです。