西オーストラリア・ワイルドフラワーの旅行術

 今月久しぶりにツアーの植物写真の講師の仕事で西オーストラリアに出かけます。西オーストラリアの植物相は日本と違う部分が大きいので、新しく見る植物ばかりで、感動がいっぱいでとてもおもしろいのです。それに春(南半球なので季節が日本と逆です)の西オーストラリアはお花畑になることも多く、日本では決して見ることができない広大なものになります。

 今回で西オーストラリアは3回目です。だいぶ西オーストラリアの植物に慣れてきたので、より深く西オーストラリアの植物が楽しめるでしょう。以前行った西オーストラリアのワイルドフラワーのツアーを参考に、旅のアドバイスをします。2016年8~9月に行った時の写真で解説します。

 西オーストラリアはアルパインツアーの「花の観撮会」ツアーです。基本的にはマイクロバスで走り、花がある場所で下車し、花を探します。またマイクロバスに乗って花を探し・・・「そろそろ車に戻ってくださ~い!」の繰り返しです。西オーストラリアは広大で、一日の移動距離が長いので、通常のツアーでは花を見ている時間があまりとれません。それで今回はパースなどの都会に宿泊しないようにし、連泊して、移動距離を短くし、お花畑での滞在時間を、通常よりもはるかにゆっくりとした日程にしました。

 西オーストラリアでは、山は歩きませんので体力的にはとても楽です。ホテルも清潔でシンプル、広くで快適です。朝夕の食事はたいていとてもおいしく、でもちょっと量が多いです。私は年齢の割にけっこう大食漢ですが、出されたものを食べきるのが精一杯です。ビフテキは私の手のひら大、250g以上はあります。ランチは野外でピクニックランチになることが多いです。パンやサラダ、チーズなどが並びます。花に囲まれながらのランチは最高です。

 車はどこにでも行きやすい小型バスを使い、10数人の少人数で行います。今回利用する西オーストラリアのバスドライバーは、植生保護に非常に敏感で強い考えを持っています。フィールドで観察して、また車に乗るときには必ず靴底をきれいに洗います。これは、植物の種や病気を移動させないために非常に大事なことです。西オーストラリアの大地は広大ですが、植物の分布は日本で考えられるよりも限られており、西オーストラリアの植物と言えども、別の場所に移動して、西オーストラリア内帰化植物にならないように気を付けています。今回も同じようにすると思いますので、同行者にはご協力お願いします。

 靴底をきれいにするというのは、オーストラリアに入国する時からそうです。違反すると罰せられますので、トレッキングシューズの靴底は、今のうちにきれいに水で洗って乾かしておいてください。

 西オーストラリアの8月~9月というと、日本の春にあたります。基本的に涼しくて快適な気候です。最低気温は10度、最高気温は20度程度です。あまり着替えや防寒具は必要ありません。とはいってもスーツケースは車で運びますから荷物は大きくてもいいです。ホテルにはポーターがいないことが多く、あまり重いと大変です(部屋までですが・・)。お土産は買うチャンスがほとんどありません。蜂蜜が買えたらいですが・・・。

 今年の旅はどうなることやら。ちょっと花の状況が不安です。

車で走っている窓からの景色。
白いキク科の植物の花が
大地を埋め尽くしています。
黄色の木の花は、
マメ科のアカシアの仲間でしょう…

2016年8~9月撮影
お花が咲き乱れるブッシュ
ヤマモガシ科の木の花が多いです。
一度バラバラになると、
皆さんは、「花、花」となって
「今写真撮ってるの!」となり
なかなか帰ってきません。

2016年8~9月撮影
撮影はこんな感じです。
荒野にバラバラになって花を探します。
花があったら「あった!」
と大声で叫びます。
小さな花を探しながら
いつも植物を踏まないように
気を付けながら歩きます。
カンガルーやエミュー(ダチョウの仲間)が
出てくることもあります。

2016年8~9月撮影
リースレシュノルティア
英語でリースフワラーとも呼ばれる植物。
今回はこの植物も目的のひとつ。
リースを地面に置いたような、そんな花です。

2016年8~9月撮影
ランチはこんな感じで野外でピクニック
たいてい花が周りにいっぱいなので、
食べることはそこそこに
ここでも写真をいっぱい撮っちゃいます。

2016年8~9月撮影
車に乗るときには毎回のように
靴底を丁寧に洗います。
たいていブラッシングするだけです。
車を汚さないためではありません。
あくまで植生保護のためです

2016年8~9月撮影
ホテルはたいていシンプルで
広くて清潔で静かです

2016年8~9月撮影
肉料理が中心ですが、
海が近いので新鮮な魚料理もあります

2016年8~9月撮影