ユキノシタ科 ネコノメソウ属 トウノウネコノメ
奥三河ボタハイの目的のひとつがトウノウネコノメです。漢字で書くと「東濃猫の目草」。東農地方の固有種です。ネコノメソウですから、花は小さいのです。コガネネコノメソウに似ていますが、コガネネコノメソウは直立した萼片から雄しべが飛び出すことはなく、花の中にちんまりと納まっています。萼片は直立し入口はあまり開きません。トウノウネコノメは、萼片から雄しべがピュッと飛び出します。萼片は直立し、わずかに外側に開きます。
トウノウネコノメはキバナノハナネコノメと似た感じもあります。キバナノハナネコノメの萼片は黄色ですが、トウノウネコノメも萼片が黄色になることがあるからです。トウノウネコノメの萼片は真っ黄色というよりかなり緑がかります。また、キバナノハナネコノメは地面にぺったり張り付くように茎葉が生えますが、トウノウネコノメの花が咲く茎は数cm立ち上がることが多いです。トウノウネコノメでも地面に張り付くように生えることもあるので、注意が必要です。
ややこしいことにネコノメソウ属の植物はトウノウネコノメやキバナノハナネコノメのように「ネコノメ」で終わる植物名と、コガネネコノメソウのように「ネコノメソウ」まである植物があります。トウノウネコノメは前者「ネコノメ」で終わるネコノメソウです。