ウスキムヨウラン 菌従属栄養植物

ラン科 ムヨウラン属 ウスキムヨウラン

 先日、愛知県まで菌従属栄養植物のムヨウラン属の植物撮影のために出かけました。ムヨウランの仲間はなかなか見つけられないので、今回は知人の岐阜のOさんに案内してもらうことになっており、現地で待ち合わせをしました。わざわざ案内をしてくれました。二人で山の中に入り最初に見つけたのがこのウスキムヨウランです。

 ウスキムヨウランは草丈5~30cm。ムヨウランの仲間では小さいほうです。ウスキムヨウランは花はあまり開かないようですが、ある程度開いているウスキムヨウランの写真もありますので、開くこともあるようです。ここで見たウスキムヨウランは筒状になった萼片の先端がわずかに開き、そこから唇弁の先端をちょろりと出している個体、わずかに萼片が開いて唇弁が出ている個体などがありました。

 ウスキムヨウランの名は、薄黄無葉蘭という名前ですが、薄黄色というより黄褐色と言った感じでした。別名:ウスギムヨウラン。ここではウスキムヨウランを和名としています。

 菌従属栄養植物であるため、葉は退化し、鱗片状のものしかありません。葉緑素もありません。暗い常緑樹の林の中に生えていました。最初に見た場所では、パラパラと1~3本ずつ生えている程度だったので、ウスキムヨウランはこんな植物であろうと思っていましたが、別の場所ではたくさん集団で生えていました。

 ウスキムヨウランの最大の特徴は唇弁に生えている毛の先端に紅紫色をしていることです。唇弁には毛がたくさん生えています。

 ウスキムヨウランの花のつけ根には副萼というものがあります。副萼の下側の花茎がわずかに膨らんでいるのも、ウスキムヨウランの特徴です。

ウスキムヨウラン
Lecanorchis kiusiana
最初の場所で見たウスキムヨウラン
パラパラ生えているだけでした。
ウスキムヨウランは、
この状態で満開です。
よく見ると唇弁が出ています。

Canon EOS R5 MarkⅡ
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

ウスキムヨウランの花の構造
よく見ると唇弁がペロンと出ています。
花の付け根にある
暗褐色でギザギザがあるのが副萼
その下の花茎が膨らんでいます。

Canon EOS R5 MarkⅡ
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
LightPix Labs FlashQ Q20II
ウスキムヨウラン
この個体は萼片と側花弁を
ちゃんと開いています。
唇弁の毛と、
その先端の紅紫色が
はっきりしています。

Canon EOS R5 MarkⅡ
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
LightPix Labs FlashQ Q20II
ウスキムヨウラン
ゴージャスなウスキムヨウラン
10本以上まとまって咲いて、
花もよい状態でした。
黒いのは昨年の果実の後でしょう。

Canon EOS R5 MarkⅡ
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

今回はOさんのおかげで、ウスキムヨウランなどの菌従属栄養植物を撮影できました。Oさんありがとうございます。