ヤクシマラン 屋久島の植物

ラン科 ヤクシマラン属 ヤクシマラン

 今回の旅で見たかった植物にヤクシマランがあります。ラン科の植物の中でも、非常に原始的な形態を残しています。雄しべと雌しべが、完全に合着しておらず、ずい柱を形成していません。6方向に放射状の星形の花被片をなしており、多くのラン科の植物のように左右対称なだけではありません。ラン科の植物が進化した道筋の、その最初の一歩がヤクシマランに残されているのです。

 ヤクシマランは、草丈は大きくても5cm程度の小さなランです。花も直径8mm程度。暗い林床で咲くので、なかなか見つかりません。花がなければ、ヤクシマランを見つけられる熟達者以外は、まず見つけることができません。自生地での未開花ヤクシマランの踏みつけに気を付ける必要があります。ヤクシマランを見たい場合は、ガイド同行がよいでしょう。

ヤクシマラン
Apostasia wallichii var. nipponica)
小型のランです。
蘭らしくないランです。
ヤクシマランは黄色の花が、
この時期には目立ちますが、
花がなければ見つけるのは至難の業です。
またヤクシマランが生えている場所は
非常に限定的です。
どこにでもある植物ではありません。
ヤクシマランはいい花ですが、
出会うことは難しいですね。


Canon EOS R5 MarkⅡ
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
深度合成撮影