トサノクロムヨウランを探して 菌従属栄養植物
トサノクロムヨウランの開花株を求めて、7月の末に2度山に行きました。1回目はひとつの自生地を探し開花株はなし、2回目はふたつの自生地を探して開花株はなし。ただただ蚊に刺されただけでした。いや、ちゃんと蕾のトサノクロヤツシロランは撮影しました。
これまで2日連続しての観察で、まだまだ蕾をたくさん持ったトサノクロムヨウランを見ていました。だから、8月2日になってそろそろ咲くのではないかと思い、3度目の正直だと思って、トサノクロムヨウランの自生地まで登ってみました。
しかし、ひとつ目の群落には花はなし。ふたつ目もなんとゼロ・・・。どうしようと思って途方に暮れていたら、ちょっと離れたところから人の声、ふらふらと見に行くと、なんとそこには、ずっと探していたトサノクロムヨウランが咲いていたのです。ああよかった。時間をかけてのんびり撮影しました。今日は花もよかったのですが、もっと早い時期のほうがよかったようなので、来年また来てみたいと思っています。
さて、トサノクロムヨウランですが、古い植物図鑑には同じ植物をクロムヨウランという名前としていた植物です。しかし今はトサノクロムヨウランとなっています。2017年ころになって、トサノクロムヨウランは数十年間もの間、別の花と勘違いされていたことが神戸大学の末次先生らの調査によりわかったのです。本物のクロムヨウランは花を咲かせないで、自家受粉で結実する植物です。トサノクロムヨウランは花を咲かせる植物です。トサノクロムヨウランは土佐(高知県)には少なく、日本の各地に生えている植物なので、とてもややこしいのです。ちなみに、ただのクロムヨウランは土佐(高知県)に多いそうです。
トサノクロムヨウランの周りの地面を踏まないように注意して撮影します。菌従属栄養植物は地下のキノコの菌糸から栄養を取っているので、周囲の踏みつけに非常に弱いのです。

(Lecanorchis nigricans Honda var. patipetala)
その名の通り
葉っぱはありません。
細い枝と花と蕾だけです。
今年もまだしばらく
花は咲きそうです。
足元に注意してください。
Canon EOS R
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

久しぶり。
やっと出会えた
トサノクロムヨウラン。
Canon EOS R
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

花のアップ
ちょっと変わっていますが、
ラン科の花そのものです。
Canon EOS R
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM
LightPix Labs FlashQ Q20II