タデ科 ヒメツルソバ属 ヒメツルソバ
ヒメツルソバは、初冬の植物の花が少ないときにも、花が咲いて、被写体の少ないときの練習台になってくれる貴重な植物です。ヒマラヤ原産の帰化植物です。ヒメツルソバはヒマラヤ原産ですが、寒さに強くありません。これはヒマラヤ原産といっても、ヒマラヤは標高1,000m程度の場所があり、緯度的には奄美大島くらいで、本州よりもはるかに温暖な地域の原産だからです。私が見た野生のヒメツルソバは、ネパール第2の都市であるポカラ近郊の標高1,300m程度の場所でした。つねに崩壊しているような日当たりのよいガレ地に生えていました。
日本の家の近くでは、増えすぎて困る植物ですが、一度増えてしまったヒメツルソバを根絶するのは難しいです。根や茎が切れて増えていく植物だからです。ヒメツルソバは体の一部が残っていれば、そこからまた増殖していくことができるのです。
小さな球状の花は小さな花とつぼみと果実の集合体。花が開いている部分はほんのわずかですが、つぼみと果実が遠目には花のように見えます。エネルギーロスが限りなく少ない、なかなかしたたかな戦術です。