サクライソウ 菌従属栄養植物

サクライソウ科 サクライソウ属 サクライソウ

 先日、木曽の山中で撮影したのがこのサクライソウです。去年、サクライソウの自生地に行ったらほとんど実になっていてちょっと遅く、それで今年ちょっと早めに行ったら、今度は早過ぎて蕾ばかり。そしてもう一度行きました。今度はよく咲いていました。

 サクライソウの花の花期は短いようです。ひとつの茎に花は10以上付きますが、ちょうど雄しべの葯が閉じている、または開いたばかりの花は一つのサクライソウの茎にひとつかふたつ、多くて4~5個しかありません。花は下から上へと咲いていきます。

 サクライソウの自生地は日本にそうありません。数か所知られているだけです。私が行った自生地は中でもサクライソウの群生の規模が大きくたくさん生えている場所です。ヒノキの林の中に生えていました。サクライソウはそれほど湿度は高くない斜面に生えていましたが、平らで湿度が高めの場所にも生えていました。

 サクライソウの高さは5~20cm。葉は無く、茎と花しかないいかにも菌従属栄養植物らしい形です。色もほぼ淡色。多年草ですが、昨年の枯れた茎が残っている場合もありました。茎には葉が退化した、鱗片葉がありました。

 サクライソウの和名の由来は、岐阜県の恵那山周辺で桜井半三郎氏によって発見されたことによる。命名は牧野富太郎さん。

 サクライソウはサクライソウ科の菌従属栄養植物です。葉緑素はなく、葉もありません。このため、植物体は白に近いクリーム色~淡黄褐色で、植物っぽくありません。花は小さく、1mmちょっとしかありません。3枚の萼片と3枚の花弁があり、花被片になっています。花の中をよく見ると、3つの子房がぷっくりと膨らんでいます。

サクライソウ
Petrosavia sakuraii )
鱗片葉もあります。
花色はほとんど白に近いクリーム色。

Canon EOS R5 MarkⅡ
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

サクライソウ群落
ちょっと傾いています。

Canon EOS R5 MarkⅡ
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

サクライソウ
サクライソウの花のアップ
外花被片は小さく、
内花被片は大きい。
白く半透明に見える。

Canon EOS R5 MarkⅡ
マウントアダプターEF-EOSR
Canon MP-E65mm F2.8 1-5x マクロフォト
LightPix Labs FlashQ Q20II