ラン科 カラデニア属 コースタルホワイトスパイダーオーキッド
英名:Coastal white spider orchid コースタルホワイトスパイダーオーキッド。西オースタラリアの植物と言えばラン科の植物がおもしろいです。なかでもカラデニア属(クモラン属)の植物がおもしろいです。
スパイダーオーキッドは3枚の萼片と2枚の花弁の先端が糸のように長く伸び、一見すると足の長いクモのような花の形しています。その姿は特徴的で、とても魅力的です。スパイダーオーキッドであることはその特徴的な姿でわかるのですが、見分けるのが難しい植物です。
西オーストラリアのスパイダーオーキッドにはたくさんの種類にがあります。100種以上はあるでしょう。そのどれもがよく似ていて、見分けるのが難しいだけでなく、雑種も作りやすいとのこと。このためスパイダーオーキッドの同定は非常に難しいのです。
今まで2回西オーストラリアに行ったことがありますが、スパイダーオーキッドの同定は、ほぼあきらめていました。しかしながら、前回よいラン科図鑑を入手できたこともあり、今回の旅ではスパイダーオーキッドの同定にも取り組んでみました。
スパイダーオーキッドの見分けのポイントはまず花です。特に唇弁の色形。唇弁の縁は、針状に切れ込むことや、まったくないこともあります。唇弁に並ぶ小突起の並びや色形も見分けるポイントのひとつです。葉も見分けるポイントのひとつです。また、スパイダーオーキッドは生えている場所が限定的なので生息場所も見分ける大きなポイントになります。
このレシュール国立公園近くで撮影したスパイダーオーキッドは、コースタルホワイトスパイダーオーキッドです。言い切りましたが、それほど自信はありません。ドライバーのジョンさんもそうだといっておりました。同定の決め手は、まずスパイダーオーキッドとしてはかなり大型であること。草丈が50cm以上もあります。分布域もOK。唇弁にある突起は鈎型で4裂以上並びます。唇弁の突起が不規則に並ぶところのも、このスパイダーオーキッドの特徴です。さらに花が白く、萼片と側弁の先端が糸状に長く伸びているのが特徴的のため、コースタルホワイトスパイダーオーキッドとしました。