バラ科 サクラ属 カンヒザクラ
石垣島の目的のひとつがこのカンヒザクラです。カンヒザクラは沖縄本島でよく、1月に咲く日本で一番早く咲く桜として有名ですが、沖縄本島で見られるものは全て植えられた園芸植物です。カンヒザクラは台湾と中国南部に分布します。私は台湾に野生のカンヒザクラを見に行ったことがあります。日本の自生地も見てみたいと思ったわけです。
石垣島にはカンヒザクラの自生地があることは知っていましたが、どこにあるのか、確実な記録はありません。カンヒザクラ自生地として天然記念物になっていますが、本当に自生のカンヒザクラかどうかもわかりにくいです。
登山口、までタクシーで行ったのですが、石垣に詳しい地元タクシー会社のスタッフ全員が「カンヒザクラの自生地」なんて聞いたことがない、と言っていました。地形図には乗っているのですが・・・。タクシーを降りて、だいたいこのあたりだと見当を付け、GPSを頼りにほとんど人に歩かれていない山道を登っていきました。ジャングルとはいえ、林床には光が当たらないため、あまりヤブコギぎはありません。2月というのに、暑くて蚊やヤマビルがいました。
単調な登りとトラバースが続きます。しばらく上って、沢が近づいてきました。「このあたりだ!」と思った時に、緑の森の間からピンク色のカンヒザクラの花が見えました。どうやら満開のようです。
緑の中で咲くカンヒザクラのピンク色はなんとも美しいですね。ヒカゲヘゴの間から見えるので、いかにも暖かい場所に咲く桜のように感じます。なかなか感動的な景色でした。
台湾の自生地は標高が1000m近くの山の中でした。あまり亜熱帯という感じではありませんでしたので、石垣島のカンヒザクラ自生地はちょっと違和感がありました。それでも、何とかカンヒザクラ自生地まで行くことができて、花を見ることができて、とてもうれしかったです。