ランの季節のボタハイ

ラン科 オニノヤガラ属 オニノヤガラ

 梅雨の時期は、自分で光合成をしない、「菌従属栄養植物」と呼ばれる植物の季節でもあります。地味で小さな種が多いのですが、このオニノヤガラは、菌従属植物の中ではかなり大きい植物です。菌従属植物は、いわゆるキノコなどの菌糸から栄養や水分を供給しているものが多く、植物なのに葉緑素はなく、またはほとんどない場合が多く、オニノヤガラのように葉も退化してなくなってしまった植物もあります。

 この葉がない、まっすぐな茎と花だけの異様な姿を、鬼や神が地面に撃ち込んだ矢に見立てたから。草丈は1mを超すこともあります。花は高さ1㎝程度。

 今回は先日の多摩川に続き、久しぶりのボタハイです。4月5月と休まざるを得なかったうえ、まだ元通りという状況になっていないために、すぐに以前と同じ、元通りになるわけではなく、少人数でのボタハイとなりました。

 それでも講座は充実し、今の時期ならではの植物に出会ったり、 ムラサキシキブの花の香りをかいだり、小さな花から大きな花まで、たくさんの花を見たりして過ごしました。花はたくさん見られました。しかしせっかくこの時期に植物の写真を撮りに来ているので、ちょっと場所を変更し、ムヨウランを撮影しに行きました。ムヨウランは黄色の植物が多いのですが、この個体はかなり紫がかった個体です。

 とても密度の濃い一日でした。今回も電車を利用しましたが、比較的すいていました。久しぶりに火曜ボタハイを開くことができて、少人数といえども、皆さんの顔をを見ることができてほっとしました。初めての参加者もいてうれしい限りです。本日の参加者の皆様、ご参加ありがとうございました。

オニノヤガラ
Gastrodia elata
菌従属植物栄養植物は
腐生植物とも呼ばれています。
確かに矢がたくさん刺さったみたいですね。
もう花は終わって果実になっています。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II
EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
なんだかステキな高原歩きのようですが、
東京都内です。
ムヨウラン
Lecanorchis japonica)
その名の通り葉の無いランです。