コバノコゴメグサ 北八ヶ岳の植物

ハマウツボ科 コゴメグサ属 コバノコゴメグサ

  八ヶ岳から帰ってきました。天気もよく、花もたくさんあった3日間でした。7月に入り、連続して山に登っているので、ちょっと疲れがたまりました。今日はパソコンに向かって仕事をしたり、ゆっくり休んでいます。しかし、暑いですね。昨日までの涼やかな気候と違って、太陽光腺で家ごと焼かれているようです。ああ、あまた山に行きたい!

 さて、八ヶ岳で見たコゴメグサです。ミヤマコゴメグサかと思ったのですが、よく写真を確認してみるとコバノコゴメグサでした。コバノコゴメグサの特徴は、全体に繊毛があり、萼裂片は丸く、花冠の長さは1㎝程度。花期は8~9月なので、このコバノコゴメグサは咲き始めです。

 コバノコバノコゴメグサは漢字で書くと「小葉の小米草」小さいという漢字がふたつ連なります。米も小さいという意味ですから、「葉が小さい小さい小さい草」という意味です。

 本州の高山帯にはコゴメグサの仲間はコバノコゴメグサ以外にも、コケコゴメグサ、ミヤマコゴメクサ、ホソバコゴメグサ、トガクシコゴメグサ、マルバコゴメグサなどがあります。

高山性コゴメグサの仲間の見分け方 コバノコゴメグサ

 コゴメグサの仲間の見分け方は、萼片の形や毛などのポイントで見分けられます。中央アルプスの固有種コケコゴメグサ、飯豊山の固有種マルバコゴメグサを除くと、コバノコゴメグサ、ミヤマコゴメグサ、ホソバコゴメグサ、トガクシコゴメグサの4種の可能性があります。ホソバコゴメグサはミヤマコゴメグサの変種で葉が細く、萼片が鈍頭なのが特徴で、分布は関東北部~東北なのでこれも省きます。トガクシコゴメグサは苞葉や萼裂片の先端が尖り、針のように尖るところが特徴です。八ヶ岳で見たコゴメグサは葉が丸く、全体に繊毛が生え、萼裂片は丸いので、コバノコゴメグサで間違いないでしょう。

 もうひとつ高原に生えるタチコゴメグサも八ヶ岳に生えていますが、タチコゴメグサは、コバノコゴメグサに比べ花冠が小さいのが特徴です。花冠の大きさで簡単に見分けられます。

コバノコゴメグサ
Euphrasia matsumurae) 
小さい花ですが、
花色には、白地に黄色と黒、紫色が混じって
とてもきれいです。

CANON EOS R
CANON RF35mm F1.8 MACRO IS STM

コバノコゴメグサ
花穂のアップ
全体の繊毛がたくさん生えています。
葉の先端は丸いです。

CANON EOS R
CANON RF35mm F1.8 MACRO IS STM

コバノコゴメグサの蕾
萼裂片の先端が丸いのが
コバノコゴメグサの特徴です。

CANON EOS R
CANON RF35mm F1.8 MACRO IS STM

北八ヶ岳から南八ヶ岳を望む。
左から、なだらかな硫黄岳、
ギザギザの山稜の横岳、
とんがった赤岳、
雲に隠れているのが阿弥陀岳。

CANON EOS R
CANON RF35mm F1.8 MACRO IS STM