ナツエビネ 四国の植物

ラン科 エビネ属 ナツエビネ

 ナツエビネは美しい植物です。その美しさゆえに盗掘され、山ではなかなか見ることができません。今までも見たことがありますが、私が知っている自生地は、夏にはヤマビルが多く、撮影とともにヤマビルに噛まれ、血を流すという場所でした。この美しい植物に出会うためにはそれだけの覚悟が必要だったのです。そうでもない場所もあるようですが・・・。

 今回は多くのナツエビネを見ました。しかし、開花が見られたのは2個体だけ。いくつかのナツエビネは途中まで花茎が上がっているのですが、残念ながら黒く変色し、枯れていました。最初に見たナツエビネのは花を何とか一輪だけ咲かすことができたナツエビネでした。

 しかし、その後なんとかひとつ、よく咲いているナツエビネがありました。倒木の陰で、なかなか見つからない場所にひっそり咲いていました。

 ナツエビネの花はピンク色でとてもおもしろい形をしています。提灯袖の大きなスカートをはいて、巨大な冠をかぶった女王様のような・・・。個体差も多いようで、色、形に変化があります。

 自然は本当に不思議です。ナツエビネとの出会いは、暗い照葉樹林の中に、そこだけ明るく灯っているようでした。自生のナツエビネとの出会いはいいものですね。

ナツエビネ
Calanthe puberula)
葉はエビネに近いですが
ちょっとほっそりしている感じです。
これでもまだ小さい方でしょう。

Canon EOS R
Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ナツエビネ
花のひとつをアップで撮影。
一株一株で形が違うので、
本当はたくさんの株を
撮影したいところです。


Canon EOS R
マウントアダプター EF-EOS R
Canon EF100mm f/2.8L Macro IS USM
Canon スピードライト 270EXⅡ