ラン科 コオロギラン属 コオロギラン
四国の旅で、最大の目的はこのコオロギランを撮影すること。調べておいたコオロギラン自生地に向かいました。コオロギランはものすごく小さいので最初のひとつを見つけるのが大変です。這うようにして、足元を確かめながら一歩一歩歩きます。
コオロギランはありました。初めて見たコオロギランは、イメージ通りの小さなランでした。花を探すというより、独特な葉と茎を探す感じです。
花が開くと、いかにもランといった複雑な形をしています。小さいけれど、自己主張が強く、「私はここにいますよ」と強く言っているように感じられました。写真のコオロギランの花はよく開いていますが、ずい柱は倒れて唇弁とくっついている状態の花もあります。この状態は花の終わりのようですが、つぼみもずい柱が倒れており、もう少し観察しないとわかりません。髄柱には突起がありますが、どう使われているか不明です。
小さく目立たないランので、相当気を付けないとコオロギランを踏んでしまいます。登山道近くにもありましたから、林の中には踏み込まないように気を付けました。杉の落ち葉の下に隠れている個体もあるし、来年咲く小さな個体もあるかもしれません。
残念ながら、昨日まで大雨だったからか、開花株はほとんどなく、咲き終わり科蕾のコオロギランばかりでした。また来ないといけませんね。
暗い林の中に生えているし、葉は小さいので、コオロギランは半寄生植物なのでしょう。菌から栄養を奪って、わずかに光合成もして・・・。とてもおもしろい生き方です。
花の形はずいぶんおもしろいですね。いったいどんな昆虫が花粉を媒介しているのでしょうか?小さい昆虫だと思いますが、蜜を出しているようにも思えませんが・・・。複雑な形をしていますが、相当細やかな花粉授受システムが構築されているのでしょう。