スミレ科 スミレ属 タニマスミレ
今年の夏の大雪山の最大の目標の植物がこのタニマスミレです。タニマスミレのベストシーズンを調べ、自生地を歩きました。
思ったよりも長く歩いて、やっと最初のタニマスミレに出会えた時はとても興奮しました。日本ではタニマスミレは今まで写真でしか見たことがなかったのです。初めて見るスミレとの出会いはうれしいですね。写真でイメージしていたよりも小さいスミレだなと、思いました。色も淡い紫色で独特です。花の状弁がくるりと上向きに回っている個体が多いようでした。
タニマスミレは、実際はロシアのカムチャッカ半島で何度か見ているのですが、日本では初めてです。タニマスミレは、ユーラシア大陸の寒冷地に広く分布するスミレですが日本では北海道の一部の山でしか見ることはできません。個体数も多くはないのです。
葉はオオタチツボスミレのような感じです。花の特徴は、側弁の内側に毛が生え、雌しべの先端の形はカマキリの頭型をしているところです。
タニマスミレはとてもよいスミレでした。小さくて。湿地にはまだ個体がありました。しかし、生息環境が変化したり、盗掘されたりすると一気に絶滅しそうな植物です。大事にしたいですね。