コシノコバイモ 新潟の植物

ユリ科 バイモ属 コシノコバイモ

 新潟には色々予定が立て込んだ上、天気予報も考えて、日帰りになりました。ちょっと時間がもったいないですが、仕方がありません。

 新潟は春の花盛りでした。おとといの雨で、山全体が濡れていたので、オオミスミソウやキクザキイチゲの花は開いていませんでした。黄連は今がピーク、カタクリは咲き始めです。

 コシノコバイモが咲き始めていました。コシノコバイモは下を向いて咲きます。カメラを低い位置に置いて撮影したのですが、なかなかうまくいきません。

 コシノコバイモの花は複雑な形です。ユリ科ですから3枚の花弁と3枚の萼片で花被片となっています。花の内側に蜜腺があります。蜜腺のまわりには小さな毛が生えています。これを足場にして小さな昆虫が花蜜をなめるようになっているという仕掛けです。

 コシノコバイモが咲く早春はまだ雪が降ったり、雨が降ったりしやすい不安定な天気です。花が上を向いていたら、せっかくの花粉や蜜が流されてしまいます。そこで、コシノコバイモの花は大きな傘のような形になって、雨や雪から花粉と蜜を守っています。さらに、大きな傘には小さな昆虫も入れます。雨宿り、雪避けとして使える上に、食べ物まであるという、冬越しをした腹ペコの昆虫にとって最上のレストランになっているのでしょう。

 色も形も不思議でおもしろい。こんなコシノコバイモが私は好きです。

コシノコバイモ
Fritillaria koidzumiana
葯がまだきれいです。
手前の葉っぱはカタクリです。

Canon EOS R
Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STM