ヘツカリンドウ やんばるの植物

2020年のヘツカリンドウの開花は遅れていました

 3月のやんばるの森ではまだヘツカリンドウが咲いていました。本来は11月の末から1月にかけて咲く植物です。これが3月中旬というのに咲いていました。たくさんの個体を見ましたが、果実になっている個体は少なく、咲いている個体のほうが多いほどです。これでは2019年末には全く咲いていなかったでしょう。まったく、熱帯の植物の花期はわかりませんね。

 ヘツカリンドウの辺塚とは鹿児島県の大隅半島にある地名のことです。ヘツカリンドウは辺塚で最初に見つかったのでしょう。辺塚の名を持つ植物は、ほかにもヘツカニガキやヘツカランなどがあります。辺塚周辺の大隅半島でもヘツカリンドウを見ましたが、花色はもっと淡く、花に紫色の模様がある個体は少なく、白色と黄緑色の個体が多いのです。

 ヘツカリンドウの花の構造がなかなかおもしろいです。花弁の内側に蜜腺があります。咲いてすぐの個体の花には蜜がたっぷりあります。咲いてしばらくたつと、花に蜜がなくなるようです。

 ヘツカリンドウの花がない個体を見たのはなかなかよかったです。去年の葉っぱの上部に、数枚の今年の新葉が重なっています。葉の色が大きく違うので簡単に見分けることができます。

ヘツカリンドウの花
Swertia tashiroi
咲いたばかりの雌しべがふかふかです。
たっぷりと蜜も見えます

カメラ Canon EOS 6D Mark II
レンズ EF100mm f/2.8L Macro IS USM
ヘツカリンドウの花弁の蜜腺
たっぷりの蜜があふれています
手前にも垂れているのでしょうか。
なめてみたら甘そうです。

カメラ Canon EOS 6D Mark II
レンズ EF100mm f/2.8L Macro IS USM
ヘツカリンドウの新しい葉
下の葉は枯れて、
上の新しい葉を来年まで使うのでしょう。
花が咲くまでまだまだ数年かかりそうです。

カメラ Canon EOS 6D Mark II
レンズ EF100mm f/2.8L Macro IS USM