キンラン、ギンラン咲く丘陵を歩き、小さな植物保護を考える

 2019年5月3日、多摩丘陵を歩きました。多摩丘陵は、春いっぱいで美しく、新緑がきれいで、たくさんの花が咲き、とても気持ちがよいものでした。

 今年はキンラン、ギンラン、ザザバギンランがたくさん咲いていました。地元の方に保護されている場所のため、近寄ることができなかったでしたので、キンランなどはちょっと遠くから撮影しました。多摩丘陵はもともとキンラン、ギンランが多かった場所ですが、開発と盗掘で花が少なくなってしまいました。まことに残念なことです。保護されている方々の努力で、保護されている場所は少し花が戻ってきているのかもしれません。保護活動をされている皆さま。お疲れ様です、そしていつもありがとうございます。

自然を守りながら植物写真を撮る

 植物写真撮影をしていると、踏み込みにより、植物に被害を与えることもあります。こうならないよう、私自身はいつも気を付けています。具体的には、撮影したい植物があっても、すぐに近寄らずに、植物の周りをよく見て、撮影対象になる植物以外に、影響がないように注意しています。もちろん、植物に近寄りすぎないようにして、植物の根元も踏まないように注意します。案外、危険なのは撮影中に後ろに下がって、花を踏んでしまうこと。自分自身が自然破壊をしないように、いつも心がけています。

キンラン
Cephalanthera falcata

 キンランは遠くに咲いていたのですが、そのぶん、背景がぼけてキンランがはっきりできるよう撮影できました。もう少しキンランの背景がきれいにボケるレンズを使った方がよいですが、持っていなかったので仕方がないですね。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II
KIPON EF-MFT AF電子マウントアダプター l
Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM

多摩丘陵は若葉の季節
ササバギンラン
(Cephalanthera longibracteata)

 ササバギンランも、アップで撮影すると、ちゃんとランらしい花の形をしています。花の下のほうに、花蜜の入った距が見えます。花の中心オレンジ色の花粉マークがあります。

 ササバギンランの葉が、花より高く立ち上がっています。ギンランはこんなことはありません。ササバギンランとギンランはよく似ており、見分け方は難しいですが、慣れると見分けることができます。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II  OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

ギンラン
(Cephalanthera erecta var. erecta)

 ギンラン。花の近くに長い苞もなく、葉も長くなく波打っています。葉裏の脈上をには微細な突起がありません。ササバギンランは花穂に長い苞があります。これもだいぶ離れた場所から撮影。ギンランなどの植物撮影をするときは、近くに花を付けていない若い株がある場合があるので、そこ(葉だけの若い個体)にも注意する必要があります。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II  OLYMPUS  M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO