ナンタイブシ 行人岳の植物

奥日光 行人岳

 行人岳は日光山地の南側に連なる、奥日光山地にある山です。古峰神社の周りにある山のひとつになります。ここも鹿の食害が大きく、目立つ花はありません。今回は昭文社の「山と高原地図」取材なので、植物写真はちょっと横に置いて歩いています。本当はほかの山の調査だったのですが、登山口付近に子熊、もちろん野生のツキノワグマがいたので、山を急遽変えることにしたのです。

 行人岳はなかなかいい山でした。誰ひとりとも会いませんでした。下草はほとんどない林の中の尾根道を何度もアップダウンを繰り返しながら歩いていきます。最後の急坂を登ると行人岳の山頂です。展望のやい山で、行者のお札なんかがたくさんあったりして、深山の赴き深い山でした。

キンポウゲ科 トリカブト属 ナンタイブシ

 それでも、少しは花は咲いていました。秋の花といえばトリカブト。ナンタイブシは北関東の日光、赤城、足尾山地に分布します。案外分布は狭いですね。日光の男体山で発見されました。おもしろいのは学名です。ナンタイブシの学名は(Aconitum zigzag subsp. komatsui)です。属名のアコニツムはいいとして、種名のジグザグとは南夫ことでしょう、葉茎の状態をジグザグとしたのでしょうか?亜種名のコマツさんと誰でしょうか?それとも地名ですかね?ナンタイブシの学名はおもしろいです。門田先生教えてください。

ナンタイブシ
(Aconitum zigzag subsp. komatsui)
枝は斜上して、途中からまた垂れるようになります
ナンタイブシは個体による変化が大きく、
色々な形態になるのがややこしいところ。
葉も、切れ込みが深かったりそうでもなかったり
ナンタイブシでも茎が直立タイプもあります
ナンタイブシは花がたくさんついてきれいです
ニホンジカは少しづつ食べているようです

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II
OLYMPUS  M.ZUIKO 60mm マクロ F2.8

ナンタイブシの花
雄しべに毛が生えています
花の内側にも毛が生えています
雄しべの奥に、花弁が見えます

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ナンタイブシの蕾
なんか顔みたいでおもしろいです
トリカブト属の花状のものは萼なのです

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ナンタイブシの花茎
ナンタイブシの花茎には毛がないまたはほとんどありません
ナンタイブシはタカネトリカブトの変種扱いです
タカネトリカブトも無毛です

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