ヒマラヤザクラ ネパールヒマラヤの植物

バラ科 サクラ属 ヒマラヤザクラ

 ヒマラヤザクラを見るために、2回ネパールヒマラヤに通いました。ヒマラヤザクラはヒマラヤ山麓の標高1,000~2,000mあたりに分布するサクラです。高山植物ではありません。日本のサクラと違い、ヒマラヤザクラは秋に咲きます。11月が開花のシーズンです。このころ、今まで続いていた雨季が明け、毎日のように晴天が続きます。ヒマラヤンブルーと呼ばれる青黒い空に色、真っ白いヒマラヤの峰々、そしてピンクのヒマラヤザクラ。とても美しい景色です。

 ヒマラヤザクラの花はソメイヨシノよりもピンク色が濃く、また花も大きいです。虫媒花でもあるようですが、見たところ鳥が多くやってきていましたので、鳥媒花だと思われます。花蜜がたくさんある萼も大きいですからね。

 ヒマラヤザクラが咲き時には葉はありません。葉は雨季に出すのでしょうか。ヒマラヤザクラヶ生えている環境は常緑広葉樹帯です。硬く葉の表面に照りがある植物が多いのです。そんな緑の森の間を縫うように細く空間を使っています。

 ネパールの山の民もヒマラヤザクラが好きなようです。道端によく植えています。秋の山道を歩いていると、時々大きなヒマラヤザクラの木があって、木陰で休むことができます。

 ヒマラヤザクラのサクランボはちょっと不格好で長楕円形です。食べられるようですが・・・。

ポカラ近郊の山の中で咲いていた
ヒマラヤザクラ
Prunus cerasoides)