ショウキズイセン 与那国の植物

ヒガンバナ科 ヒガンバナ属 ショウキズイセン

 今回の与那国島の一番の目的が、この野生のショウキズイセンを見ることです。ショウキズイセンはヒガンバナ属の植物なので、赤いヒガンバナの黄色い品種(キバナヒガンバナ)のように思われがちですが、まったくの別種です。南九州では園芸植物として、たくさんの黄色いショウキズイセンが庭に植えてあったのは見たことがありました。しかし、私は野生のショウキズイセンは今回の与那国島まで見ることはありませんでした。

 初めて見る野生のショウキズイセンとの出会いは感動的でした。黒潮洗う紺碧の海をバックに、原色の黄色いショウキズイセンの花が咲いていたのです。隆起石灰岩地に生えていたのには驚きました。近寄れないような断崖に生えているショウキズイセンもありました。野生のショウキズイセンは、なかなか強い植物のようです。灌木の茂みや、草地にも生えていました。

 ショウキズイセンの花期には少し遅かったようで、しおれた花も多くありましたが、まだまだ咲いていた花もありました。花期はけっこう長いようです。日本のヒガンバナはほとんどが同じ遺伝子を持ったクローンなのですが、ショウキズイセンは種でも増えることができるので、遺伝子にばらつきがあるのでしょう。

 花の形はヒガンバナに似ていますが、ちょっと大きいようです。ヒガンバナと大きく違うのは花茎です。与那国島は非常に風が強く、台風も書きに直撃することも多いので、ヒガンバナのような細い花茎ではなく、直径2cm近い太い花茎です。すでに葉が出てきたショウキズイセンもあり、葉も幅広のようでした。

 ショウキズイセンの名の由来はよくわからないようです。別名ショウキラン。しかし、ショウキランはラン科に別の種があるので、ショウキズイセンの呼び方のほうがよいですね。

ショウキズイセン
Lycoris aurea
花茎が太いです。
まだ葉は出ていません。


Canon EOS R
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

ショウキズイセン
こんな手を切るような
石灰岩地にも生えています。
アゲハチョウ類が花粉を運ぶのでしょうか。

Canon EOS R
Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM