先輩植物写真家のいがりまさしさんから一冊の本が届きました。なんといがりさんの事務所MAPLARTから本を出したとのこと。植物写真を撮ったり教えたりするだけでなく、本を編集し、出版までしまうとはなんという才能とエネルギーなのでしょうか。いがりまさしさんは音楽家でもあり、まったくすごいです。
さて、「風の花Ⅱ 旅に咲く青いケシ」は山下順子さんの青いケシの写真集です。青いケシとはヒマラヤの高山帯に生えるケシです。ケシ科メコノプシス属の植物を「青いケシ」と呼んでいます。「英語だと「ブルーポピー」ですね。メコノプシス属(ブルーポピー)の多くの種は、透明感のある青色の花弁の花を咲かせます。しかし、赤色や黄色の花弁のメコノプシス属の植物もあるので、「赤いブルーポピー」などもあり、変なことになっています。
ともあれ、青いケシはとても美しく、一度見るとその印象的な姿は決して忘れることはできないでしょう。私も、何度か青いケシを見ていますが、なぜか特別な感情を持ってみています。高山病の心配があるような場所に咲く青いケシは、誰でも簡単に見れるわけではなく(バスに乗っているだけで簡単にみられる場合もありますが)、ちょっと特別な存在なのです。
山下順子さんの「風の花Ⅱ 旅に咲く青いケシ」のページをめくっていると、数多くの青いケシが出てきます。青いケシ好きな私には「いい花だなあ」とドキドキする写真ばかりです。メコノプシス属は新しい種がどんどん見つかっており、ほとんど私が見たことのない青いケシばかりです。これを見ていると、またヒマラヤに青いケシを見に行きたくなりますね。何度も何度もヒマラヤに足を運ばれたことがよくわかります。悪天、寒さ、高山病色々とあったと思います。いやいや感動的な本です。
背景には、ヒマラヤの暮らしも写っています。山もいいけどブータン人やシェルパ族など、チベット系の人々の暮らしも垣間見えて懐かしく感じました。また、知らない山に行きたくなりました。青いケシを見たい知りたいと思っている方なら、この本を手に入れるべきでしょう。